フレキシブルプリント配線板とリジットプリント配線板の相違(10)~補強板

フレキシブルプリント配線板と
リジット(硬質)プリント配線板(FR-4/CEM-3など)の相違点に
補強板の存在がある。
材料に物理的強度が小さいフレキシブルプリント配線板は、
部品を実装する場合、
マウンタ作業を可能にするために機械的強度を保持させる必要がある。

そのために
「補強板」
を利用するケースも珍しくない。

画像のようにトレーを利用して搬送するケースがある。

補強板には、
フィルム
ガラスエポキシ材
用途によっては
ベーク板
を利用することもある。

補強板を利用することで
リジットフレキシブルプリント配線板の採用を回避することが可能だが、

補強板の追加により

層構成が複雑になり

工程が増えることを想定しておく必要がある。

しかしながら、ポリイミドフィルム上にランドを形成して部品を実装することは難しく

リジットフレキシブルプリント配線板は製造コストが高価であり、
補強板を利用することでコストの上昇を回避する一助となりうる。

 

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フレキシブルプリント配線板とリジットプリント配線板の相違(9)~表面処理

フレキシブルプリント配線板

FR-4、CEM-3などのリジット(硬質)プリント配線板は

いずれも回路には銅が採用されるため、

製造後に防錆処理を施す必要がある。

 

FR-4、CEM-3などのリジット(硬質)プリント配線板では、

防錆処理材として有機皮膜で銅箔を保護するケースが多い。

このコーティング材はOSP(Organic Solderability Preservative ) と称され、

一般的には(耐熱)プリフラックスと呼称される。

しかし、フレキシブルプリント配線板の場合には、OSPを採用することが難しい。これは、フレキシブルプリント配線板が可撓性を持つためであるが、

ソルダリング作業における「はんだ濡れ性」に影響するためだ。

従って、フレキシブルプリント配線板の製造にあたっては、

ほとんどの場合、無電解金めっきによる皮膜で回路の保護を図る。

価格低減の目的で、OSPの採用を検討される向きがあるが、個人的には推奨しない。

くわしくは、「サルでもわかるプリント基板のはなし 基板の製造工程(7)」で詳述している。

 

表面処理の品質は、実装技術に大きな影響を及ぼす。

実装後のはんだ濡れ

ボイド

接合強度

など

品質に影響を及ぼすことが多いため、安易にOSPを採用することは慎んでいただきたい。

フレキシブルプリント配線板に限らず、一般的な仕様については、

原則があって採用されたものであることを理解しておくことをお勧めする。

実装品質はプリント配線板が司るわけではなく、

部品の保管条件

実装の温度プロファイル

はんだとの相性など

複合的な条件が関連している。

 

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フレキシブルプリント配線板とリジットプリント配線板の相違(8)~外形加工

最近、
フレキシブルプリント配線板の試作品の受注にあたり、
「金型を採用しない」
ことをメリットとして掲げるケースが散見される。
「金型を採用しない」とは、
レーザーカッターを利用して外形を加工する手法を指すと思われる。

海外で製造する場合には、でレーザーカッター加工することで
金型を製作するコストを低減させる工法が採用されうる。

ただ、レーザーカッターによる加工では、
材料の端面が炭化して外観不良を起こすリスクがあり

加工精度にも問題がある。

海外工場で製造する場合には、
レーザーカッターでの加工リスクを想定しておく必要がある。

そこで、ここでは敢えて金型加工による外形加工の手法を提案する。

フレキシブルプリント配線板の材質は
ポリイミドフィルムであり、
厚さも100μ前後の厚さだ。

従って、簡易金型(トムソン型)での加工も容易でコストメリットも大きい。
耐久性の問題があるが
国内での加工前提であれば、
100ショット程度の磨耗で使用不可能になることはない。

 

蛇足ながら、日本の製造業の品質は周知の通り高い加工技術を保有し、
金型の耐久性も海外製とは比較にならないほど高い。
フレキシブルプリント配線板の小口製品の製造であれば、
簡易型で数千ショットの加工に耐えるケースも少なくない。

金型によるパンチング加工は、

外形精度が精巧
フレキシブルプリント配線板の端面の炭化による
外形不良のリスクを回避することが可能
製造コストの低減確保が可能

などメリットが多い。

海外での製造体制下では、
加工手法が粗雑で、
金型の耐久性が低く、
加工精度にも問題が発生するリスクを内在する。

日本国内での加工体制であれば、
物流の手間やリスクが小さい。

 

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フレキシブルプリント配線板とリジットプリント配線板の相違(7) ~ソルダーレジストとカバーレイ

フレキシブルプリント配線板と
リジットプリント配線板(FR-4/CEM-3など)
の仕様や工程に相違点が多いことはご理解いただくことができたと思う。

材料
層構成
積層工程の存在

板厚
銅箔

について言及してきたが、
まだ言い尽くされていない相違点が存在する。
今回は、
カバーレイとSR(ソルダーレジスト)に触れる。
フレキシブルプリント配線板には
可撓性(かとうせい)、屈曲性の特長を持つ。
スマートフォンが市場を席捲する以前の
俗称jガラパゴス携帯やノートPCのヒンジ部分
液晶表示(LCD)の端面と制御基板との接続部
さらにプリンタのヘッド可動部
などでの採用が拡大したフレキシブルプリント配線板は、
連続した屈曲動作が求められる。
このような、連続可動が求められる分野では
ソルダーレジストのインクによる印刷工法を採用すると
組み立て後の稼働中に剥離のリスクが存在する。
ただ、それでも
回路銅箔を外気から遮断する
外部からの応力から回路を守る
いくつかの信頼性を担保し一定の製造コスト抑制の目的から

スクリーン印刷、スプレー塗布の工法に

ソルダーレジストインクは採用され続けてきた。
しかしながら、
フレキシブルプリント配線板は、
ソルダーレジストが果たしてきた役割を
カバーレイフィルムが担う。
カバーレイフィルムはフレキシブルプリント配線板の銅箔を保護する。
フィルムの材料は、原則的にベースフィルムと同一であり、
ベースフィルムと同じ膨張係数を保有する。

フレキシブルプリント配線板の製造工程においては、

ベース基材と並行して加工されたカバーレイフィルムを

積層工程において貼りあわせる。

カバーレイフィルムの存在も

フレキシブルプリント配線板のコストアップ要因である。

経年劣化のリスクを軽減し、
フレキシブルプリント配線板の長期信頼性を担保する。
化学的なストレスから回路を保護する役割も果たす。

ただ、製造後に可動部で採用されない場合には
カバーレイの代替として
インクによるソルダーレジストが採用されるケースもあり得る。

当社では、

某材料メーカーと協力工場の支援の下で

t=0.2

リジットプリント配線板のSRインクを

スクリーン印刷工法で塗布する。

カバーレイを採用せずに

一気通貫の製造工程を取り入れた。

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フレキシブルプリント配線板とリジットプリント配線板の相違(6)~銅箔 

フレキシブルプリント配線板と
リジットプリント配線板(FR-4/CEM-3など)の相違点を説明している。
今回は、材料の「銅箔」の相違点に触れる。
リジットプリント配線板は
電解銅箔
を利用する。
電解銅箔は、硫酸銅溶液中にカソード電極を沈めて通電し、
カソードに析出した銅箔を指す。
カソード面に接する部分は光沢をもつことから「シャイニー面」と称されることもある。
裏側には光沢はなく、「マッド面」称される。
量産が容易で低価格での供給が可能だ。

一方、フレキシブルプリント配線板材料の場合、
電解銅箔よりも
圧延銅箔が採用される場合が多い。
圧延銅箔とはインゴットを圧延したもので、
最大の特長は材料に可撓性(かとうせい)があるところにある。

電解銅箔に可撓性はなく、

屈曲条件下で機械的強度を保つことはできない。
ヒンジ部分に採用されることが多いフレキシブルプリント配線板は、
軽薄短小のニーズに合致することにとどまらず、
スマートフォン・タブレットPCの市場の伸長とともに
市場でのステイタスを築いた。
さらに、圧延銅箔の製造技術は、海外企業に容易には移転させることができない。
従って、加工費が安価な海外で製造しても
フレキシブルプリント配線板の材料は日本の国産品優位に立つ。

つまり、リジットプリント配線板のように
技術の流出が発生しにくい。
プリント配線板の業界では、
仕様の標準化の進展に伴い、
技術の海外流出
価格競争の激化
が業界各社の体力を奪い
業界の収縮を招いた。
フレキシブルプリント配線板では、
市場を守る力が働くことを祈念する。

 

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